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建て主のTさんは定年を迎え、山の中に住むことを望んだ。夫婦とも趣味を持ちそのアトリエとして使うことを考えている。Tさん夫婦は若いころから農的暮らしに憧れ、今までに農家の応援隊として活動もしていた。そのつながりは今ももっている。そのため、Tさん夫婦は家の前の斜面の畑は色とりどりの野菜や果樹でいっぱいである。都市生活者にも関わらずその技術は農家顔負けである。台所はその畑を見ながら作業できるようになっている。
 上の画像をクリックすると拡大して見ることができます。
□ 橋のある家    2003.12
橋のある家は建築資料社・住宅建築 2004年3月号あるいは世界文化社・週末別荘傑作選2008年4月に掲載されています。詳しくはそちらをご参照ください。
小屋裏
1階
2階
道路からのアプローチの橋
 那須    
       
    橋のある家   天然酵母の米粉パンをつくる家      
           
          
         
敷地は南西に緩やかに傾斜している。その先は木々の間から松林と田園風景が望める。この斜面にあわせて建物を配置すると少し西に向くことになるがこれは別に不利なことではない。夏の夕日は南の木々でさえぎられ、冬の夕日は葉も落ちて家に差し込み夜の暖かさを確保できる。この落葉樹のおかげで夏も冬も快適に過ごせることになる。これは名古屋に住む津端さんの家もそうなっている。このように考えると家は西向きに建てるのも悪くないことになる。現代の家はどんな家でも南向き、南面信仰の呪術にかかっているようだ。
また、家の配置は東の道路からすぐに建てるのではなく、家と道路を離し、その間を緑のゾーンを経て家にアプローチすることが、この場所にはふさわしいと思われた。それは家を緑の木々が包んでいるような風景である。下手なデザインの人工物は緑で隠すことが最良のデザインになることも考えられる。それはできるだけ木を切らないことになる。
そこでKさんの家は敷地中央がぽっかりと空いていたところに家を配置して、木を切らぬように心がけた。また、そこに行くまでのアプローチも草木を痛めぬように考えた。それは地形を変えぬことになり、あるがままの山の状態を生かすことが山に対しての礼儀なのだろう。
そこで、家の入り口は地上階にするのではなく、道路のレベルと入り口は揃えるようにすることにした。それは橋を架けることで可能になる。これは地上に生える草木をあまり痛めず、またTさん夫婦の老後を考えると一挙両得であると思われた。これを現場を見ながらTさんと話し合った。
橋はいろいろな意味で面白いアイテムである。橋は人と人、モノとモノをつなぐ。その橋の先には何があるのか、ドラマが生まれる。
この橋はTさん夫妻の夢の架け橋になっている。
完成した家

今までに完成した家を写真や図面で紹介しています。
すべての家が柱、梁の見える真壁の家です。間取りは3尺グリッドに則っています。